会員登録 ログイン

ホーム > 溶接接合業界ニュース > 神鋼E&M、VRで技能伝える、場所問わずに溶接訓練

溶接接合業界ニュース

神鋼E&M、VRで技能伝える、場所問わずに溶接訓練

 VR(仮想現実)空間で溶接技術を学ぶシステム「ナップ溶接トレーニング」を神鋼エンジニアリング&メンテナンス(E&S、神戸市灘区)とイマクリエイト(東京・港区)が共同開発、12月4日に発売した。熟練者の動きをVR空間で再現し、その動きをなぞる方法で学習する。システムは、ゴーグル、トーチ、コントローラで構成。従来のAR(拡張現実)型の溶接シミュレータと異なり大型の筐体を必要とせず、どこでも訓練できるのが大きな特徴となる。材料費は不要で、指導者がいなくても一人で訓練できる。神鋼E&Sの社内研修で使用したところ一定の成果が出たため、商品化した。
 同システムは、神鋼E&Mに所属する熟練溶接士の手元の動きをVRに落とし込み、技能モデルとして活用。利用者がゴーグルを装着すると、立体モデルの溶接が始まり、利用者はその動きをなぞったりマネしたりして初歩技術を学ぶ。溶接中はモデルと比較して「遅い」「早い」などのコメントが出る。
 手元の明るさは、ビードやトーチがはっきり見える画面と、遮光面を付けた時と同様の真っ暗な画面の両方が選択できる。溶接中の振動は手に伝わり、神鋼E&Sの溶接士が「実際の作業と比べて違和感がない」というレベルに近づけた。
 溶接方法は被覆アークと半自動、ティグの3種類を用意し、習熟度はJIS技能者検定の基本級に合わせた。ティグはボタンを押して「棒送り」を行い、裏波の確認もできる。利用者が見ている同じ画面を指導者が別の端末で見ることができ、学習履歴も残せる。離れた場所でも指導できるため、コロナ禍の研修での利用を見込む。溶接の種類やレベルは今後、増やしていく構想だ。
 同システムはゴーグルと複数のトーチなどで、溶接電源は必要ない。価格は一式150万円(税別)。別に毎月のランニングコストがかかる。神鋼E&Mは6月に同システムを使って新入社員に研修を実施し、VRだけで研修したグループが実技だけのグループより早く技術を習得する結果が出たため、7月に「開発中」として公表したところ、多数の問い合わせがあったという。
 神鋼エンジニアリング&メンテナンスは神戸製鋼所のプラント建設や修繕と行っており、イマクリエイトはVRシステムの企画・開発を行っている。VR画面の映像は両社のホームページで閲覧できる。


提供元:産報出版株式会社

溶接接合業界ニュース一覧ページへ

このページのトップへ