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溶接接合業界ニュース

溶接ヒューム政省令改正、来春施行・関係団体など活発な動き

 厚生労働省が6月に公布した溶接ヒュームに関する政令(労働安全衛生法施行令)、省令(特定化学物質障害予防規則=特化則)の改正が、来年4月1日から施行・適用される。しかし、溶接事業所においては、これまで換気や防じんマスクの着用などの対策を進めてきただけに「どのような対策が必要なのかわからない」など、対策の進め方に戸惑う声も少なくない。そんな中、法改正への理解を深めることを目的に様々な溶接関係の業界団体では対応する検討・勉強会を立ち上げたり、セミナー・説明会を企画するなど動きが活発化している。

  同改正は、厚生労働省の調査により、溶接ヒュームと塩基性酸化マンガンについて、労働者に神経障害の健康障害を及ぼす恐れがあることが新たに明らかになったことによるもの。
 改正政令では、特定化学物質(第2類物質)に溶接ヒュームを追加。溶接ヒュームに関係する作業や業務に、特定化学物質作業主任者の選任、労働者に対する健康診断、特化則としての作業管理を求める。溶接ヒュームに関しては、作業環境測定は義務づけないが、溶接方法の新規採用・変更の際には、個人暴露測定を実施し、同結果に基づいて有効な呼吸用保護具を選定することを求める。
 改正特化則(溶接ヒュームの暴露防止)では、アークによる溶接、溶断、ガウジングなど屋内作業における全体換気装置による換気、同等以上の措置を義務づける。また、有効な呼吸用保護具を選定し、年1回のフィットテストの実施などを求める。
 11月25日には、東京・港区の安全衛生総合会館で中央労働災害防止協会による「改正特化則対応?溶接ヒュームばく露防止対策研修?」を開催。20人の定員がすぐに満席となったため、午前・午後と2回に参加枠を増加して行われた。
 同研修会では、同改正概要を同センターの山室堅治副所長が解説。
 中でも特定化学物質作業主任者の選任については「特定化学物質作業主任者技能講習を修了させるだけでなく、任命・周知する必要があることを知らない企業が多いと思う。『作業に従事する労働者が対象物に汚染され、吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること』とされており、基本的には作業主任者がいないとアーク溶接を行うことができないため、各環境ごとに2人は選任しておくこと(休むとアイク溶接作業が行えないため)も求められる」ことを強調した。
 防じんマスクの選択と使用などについては、同センターの東久保一朗技術専門役が「防じんマスクを『視野が広い』『作業しやすい』という理由を優先して選択している人もいるかも知れないが、今後は作業者の安全を守る上で適正か否かが求められる。溶接事業者は粉じんの種類、作業内容、粉じんの発散状況などを今のうちに改めて確認しておくことも必要」とした。
 その上で「正しい防じんマスクの装着法を知ることも大切。例えば『ヘルメットの上から装着する仕様ではないマスク』と知らずに、ヘルメットの上から装着している企業が実際にあり、これでは密着性が少ないため効力が半減してしまう」などマスクの正しい装着を強く求めた。
 この後、柴田科学の佐々木洋氏による「マスクの定量的フィットテストの実習」を実施。
 フィットテストは、作業者が防じんマスクを装着しながら「作業場で想定される複数の動作を行いながら」マスクと顔の密着具合を測定していくもの。例えばフィットテストを行う直近30分は喫煙してはいけないなど、ルールが多いため正確な測定方法を知ることが重要になる。
 受講者の中で最も多かった質問は「アーク溶接の作業頻度が少なく、短時間の場合(例えば製造設備の修理で月に1?2回、1回に10分程度のアーク溶接)であっても、特殊健康診断や溶接ヒュームの測定は必要か」というもの。これに対して講師からは「『個別に判断する必要がある』と通達に記されているため、所轄の労働基準監督署に相談するのが正しい対応となる」などの回答が寄せられた。


提供元:産報出版株式会社

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