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溶接接合業界ニュース

赤原製作所、社員の7割が海外にルーツ、外国人技能者が主力に

 海外出身の技能者が20年以上勤務し、溶接など各工程において課長や次長といった管理職として活躍。外国人が高度熟練技能者として若手の指導に当たる企業がある。神奈川県座間市に拠点を置き、溶接およびレーザ加工、長尺曲げによる大型製缶加工や板金加工などを得意とし化学プラント設備から特装車や大型トラック部品などを多岐にわたる製品を製造する赤原製作所(赤原宗一郎社長)である。同社は約60人の従業員うち7割ほどが海外にルーツを持つ。
 溶接工程などを担当する生産5課で課長を務めるブラジル出身の佐伯イボ課長は約20年間同社で勤務し、溶接や組み立てにおいて指折りの技能を持つ。現在は高度熟練技能者として若い世代に指導することも多い。「製品を溶接した後に複数人体制で寸法などの外観を入念に再確認するように指導している」と佐伯課長は語る。
 同社では最初に佐伯課長のような高度熟練技能者が溶接などの手本を見せ、若手が実際の現場で挑戦しながら、技能を習得するOJT方式で腕を磨く。佐伯課長は「溶接などの技能や技術は現場での失敗から学ぶことも多い。何故失敗したか良く考えて、同じ失敗をしないようにすることが技能向上に繋がる」と若手へ心構えを説く。
 佐伯課長が「当社で20年間溶接士として精進し、課長として後進の指導ができるまで頑張れたのは上司、同僚、部下を含めて、仲間達のおかげ」と周囲に感謝を述べるように、同社は従業員間のチームワークの良さが強みだ。
 同課で若手溶接士として日々奮闘している米山マヌエル氏は「当社はキャリアに関係なく、自分のような20代の若手であっても現場を良くするための改善点などをしっかりと意見を言える風土がある。納得するまで話し合うことで工程間を越えたチームワークが生まれ、生産性も上がり、高品質な製品を製造するための1つのチームになる」と語る。
 同社は鉄とステンレス製品を中心に3?9ミリまでの薄板や中板を溶接する製品が多く、炭酸ガス半自動溶接を適用することが6?7割で残りはティグ溶接で接合する製品が多い。
 レーザ加工機を2台駆使したレーザ加工や最大6メートルまで折り曲げ可能なベンダー加工機などを使用した長尺曲げ加工を組み合わせた大型製缶加工から薄板の板金加工を手掛けており、高品質かつ短納期で製品を製造可能な生産性体制を武器に中・大ロットでリピート製品だけではなく、スポットの新規案件にも対応している。
 溶接士も大型製缶加工となる直径3、長さ10メートルにもなる化学プラント向けのサイクロンを制作する際には製品の中に入り、内側から複数のポジションから炭酸ガス半自動溶接することもあれば、薄板の小型部品においてティグ溶接で狭あい部の繊細な溶接を行う場合もある。
 米山氏は「溶接条件が受注する案件により全く異なるので、求められる技能も高いが、だからこそやりがいがある。佐伯課長は新規案件の製品でも、まるで長年製造している製品のように、綺麗で欠陥がほとんどない溶接に加えて、組み立ても短時間で的確に仕上げることができる。少しでもそのレベル近づけるように頑張りたい」と目標を語る。
 同社ではブラジルやペルーなどの南米出身の日系人が多いが、そのほかにアフリカ大陸、ベトナムといったアジア地域など世界各地に様々なルーツを持つ従業員が勤務しており、約10人在籍する溶接士も多くが国外にルーツを持つ。
 赤原社長は「ルーツに関係なく高い志と技能や技術を持つ人を積極的に登用し、待遇に反映していった結果、自然に意欲と技能や技術のある国外出身の技能者が集まり、長く活躍する会社になった。当社は人物を見て国籍や出身に関係なく終身雇用を前提とした正社員として入社してもらう。給与や人事評価でも努力して結果を残した社員には国籍など関係なく反映している」
などとし、言語や文化の違いを乗り越えて、高品質な製品を製造するための1つのチームとして高みを目指す。


提供元:産報出版株式会社

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