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溶接接合業界ニュース

旭エンジニアリング、溶接事業所がPCR検査センターを無償提供

 静岡県袋井市でプラント製造の溶接加工を生業とする旭エンジニアリング(西野正和社長)は、特殊車両の製造で培った溶接技術などを生かし、新型コロナウイルス感染拡大の対策に特化したウォークスルー方式のPCR検査センターを開発。昨今のPCR検査需要の高まりを受け、5月27日に浜松市へ無償提供した。
 同社は、プラント製造で培った溶接技術を横展開することで、2015年よりキャリアカーなど特殊車両の部品の製造を開始。最初は部品1つから、骨組み、車軸など受注を獲得して、17年には自社でもOEMキャリアカーを製造するようになった。キャリアカーの技術を使用することでトレーラーハウスも製造できるため、右肩上がりで伸び続けているトレーラーハウス事業にも昨年より本格的に着手するに至った。
 キャリアカーは、鉄の中でも汎用性が高いとされるSS400がメイン素材となる。引張り強さが400?パスカルであることを意味しており、建築、船舶、土木(橋梁などが多い)、自動車など幅広く使用される素材のため、安価で流通量が多いのが特徴だ。溶接技術が必要なパーツは、車体の骨組みと、油圧で動くフロア部分。溶込みの深さと溶接速度に定評がある半自動炭酸ガス溶接を使用して、同社では15人の溶接士が作業をしている。
 また、キャリアカーやトレーラーハウスの特徴は、車体でありながら、骨組みの上に建築物を建てるように製造することだ。接着やボルト締めではなく溶接で接合しているのは、SS400を使用している建築が、溶接を使用しているものが多いことに起因しており、強度的な信頼性も高いからだ。一般的にトレーラーハウスは鉄の骨組みに木造の建築物を乗せており、木造構造物は、油圧性の鉄製フロアよりも軽量なため、トレーラーハウスは、キャリアカーのメーカーからすれば展開しやすい。
 今回のPCR検査センターは、これら技術の応用によって開発したもの。ウォークスルー方式とは、外部から遮断された車内で医師が手を出し検体を採取するもので、防護服の着用は必要がない。また、空調システムにより、車内の気圧を高めることで空気を社外に押し出し、ウイルスが車内に侵入することを阻止する仕様となっている。
 今回PCR検査センターとして提供したトレーラーハウスは、受付や検査を受ける人のために、トレーラーハウスの周囲にステージを組む仕様となっているが、同社ではコロナウイルス感染の第二波に備えて、駐車するだけですぐに使用できる機動力のある設計を施したPCR検査専用車輛の開発に着手している。浜松市の産業振興課を通じて、保健所・医師から必要なアドバイスを受けて、電源の位置や、窓の高さなど医療的な導線確保も確保していく予定だ。
 日本では建築における法律で、高架下など有効活用が難しいスペースが多いためトレーラーハウスは相性が良いとされ注目を集めている。加えて、世界的な問題となっているコロナウイルス感染拡大やPCR検査方法に対して、溶接工場が積極的な提案を続ける姿勢には目が離せない。


提供元:産報出版株式会社

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