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溶接接合業界ニュース

ブルーレーザのハイブリッド化、需要高まる銅溶接に新技術

 EV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)など自動車電動化の動きが加速し、自動車で使われる電気・電子部品が増え、その重要性が増す中、難溶接材料である銅の溶接技術に高い注目が集まっている。古河電気工業(東京・千代田区、小林敬一社長)は6月5日、日亜化学工業(徳島県阿南市、小川裕義社長)と高出力青色レーザ(ブルーレーザ)ダイオードモジュールを共同開発したと発表。合わせて同レーザモジュールを搭載した高出力ブルーレーザ発振器(波長465ナノ)と同社が製品化しているシングルモードファイバレーザ(同1070ナノ)を組み合わせたハイブリッドレーザによる新しいレーザ溶接ソリューションを開発。同ソリューションにより、純銅のレーザ溶接における品質・深度・加工速度の向上を図った。同ハイブリッドレーザは来年1月の製品化を目指す。
 近年、自動車電動化の動きが世界中で加速。これにともない電動車の主要部品であるリチウムイオン電池、モータ、インバータなどの製造量が飛躍的に伸びるとみられ、電導体として使われる純銅の溶接における生産性向上(品質、速度の向上)や製造工程の省人化に対する要求が強まっている。
 一般的に使われているアーク溶接や超音波溶接は接触加工であるため、工具のアプローチに時間がかかることや消耗品交換・メンテナンスが必要である課題が指摘されている。一方、非接触加工であるレーザ溶接は溶接点を高速移動でき、メンテナンスが不要であるため、生産性向上および製造工程の省人化に適している。
 しかし、従来のファイバレーザ光の波長は近赤外であるため、純銅に対する光吸収率が低く、加工対象物の表面状態による光吸収率変化に影響され、溶接品質が安定しない課題がみられた。
 新モジュールの開発には、ブルーレーザダイオードの高出力化とレーザダイオードの出力ビームを高密度合波するモジュールの組立技術が必要だった。
 この課題を日亜化学工業が有する世界最高性能のGaN系レーザダイオードと同社がファイバレーザの製造で培ったモジュール組立技術を持ち寄ることで解決した。さらに、高出力ブルーレーザ発振器とシングルモードファイバーレーザを組み合わせたハイブリッドレーザにより、純銅のレーザ溶接における品質・深溶込み・溶接速度を向上し、細いビード幅で溶込みの深い溶接を可能にした。これにより自動車電動部品の設計自由度ならびに軽量化の向上を図ることを可能にした。
 開発に当たっては、純銅板の表面にレーザを集光しながら純銅板を移動させ、加工特性(品質、溶込み深さ、溶接速度)を評価。表面の観察結果では、ハイブリッドレーザによる加工は、欠陥が無く安定した品質が得られたことを確認した。また、ファイバーレーザと同等の溶込み深さを高速で実現。室温における光吸収率の高いブルーレーザ光で加熱後、輝度の高い近赤外レーザ光による加工を行うため、溶融部が安定し、高品質な加工が可能となった。


提供元:産報出版株式会社

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