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溶接接合業界ニュース

厚生労働省、溶接ヒュームの政省令改正

 厚生労働省は4月22日、政令(労働安全衛生法施行令)、省令(特定化学物質障害予防規則=特化則)などを改正し公布した。特定化学物質(第2類物質)に「溶接ヒューム」を追加するとともに、「マンガン及びその化合物(塩基性酸化マンガンを除く)」の「(塩基性酸化マンガンを除く)」を削除した。溶接事業所に呼吸用保護具選定に際しての個人ばく露測定を義務付け、特定化合物質作業主任者を置くことを求める。施行は2021年4月1日とし、一部事項は22年3月末までを準備行為及び経過措置期間とする。
厚生労働省の調査により、新たに溶接ヒュームと塩基性酸化マンガンについて、労働者に神経障害等の健康障害を及ぼすおそれがあることが明らかとなったことから、今回の改正につながった。
 改正政令では、特定化学物質(第2種類物質)に溶接ヒュームを追加。溶接ヒュームに係る作業や業務に、新たに特定化学物質作業主任者の選任、労働者に対する健康診断など、特化則としての作業管理等が必要となる。
 溶接ヒュームに関して、作業環境測定は義務付けされないが、溶接方法の新規採用・変更の際には、個人暴露測定を実施し、結果に基づき有効な呼吸用保護具を選定することとなる。
 改正特化則(溶接ヒュームへのばく露防止)では、アークを用いた溶接や溶断、ガウジングなどを行う屋内作業場における全体換気装置による換気、もしくは同等以上の措置を義務付ける。また、有効な呼吸用保護具を選定し、年1回のフィットテスト実施も必要となる。この他、屋内作業場の床を水洗等粉じんの飛散しない方法によって、毎日1回以上掃除を義務付けることなどを定めた。また雇い入れや溶接業務への配置替えの際と6ヵ月ごとに1回の健康診断の実施を義務付ける。
 作業環境評価基準の一部を改正する告示では、管理濃度に係る「物の種類」を、「マンガン及びその化合物(塩基性酸化マンガンを除く)」から「マンガン及びその化合物」に改め、その管理濃度を「マンガンとして0・05?グラム/立方?」に引き下げた。
 改正の政令・省令・告示の施行は2021年の4月1日とする。作業主任者の設置やヒューム濃度測定などは、施行後1年の2022年3月31日までの間は準備行為および経過措置期間とする。
◆改正の背景
 厚生労働省は、米国や欧州の専門家会議や委員会で粒径別のマンガンやその化合物のばく露限界値が勧告されたことを踏まえ、2016年から検討を行い、さらに2018年3月に「化学物質による労働者の健康障害防止に係る検討会」を立ち上げ、今年2月に報告書をまとめた。
 海外の文献によれば、マンガン化合物を含む溶接ヒュームへのばく露による神経機能障害が報告され、その多くにはばく露量と一定の作用関係が認められたとした。また、溶接ヒュームの発がん性に伴う「特定管理物質」への位置付けについては、溶接ヒュームは疫学研究によって発がん性があることが示されたが、原因物質は特定されず、じん肺を因果関係とする原発性肺がんとの区別がつかないため、当面は特定管理物質に位置付けず、発がんの原因物質などが明らかになった時点で、再度検討を行うことが妥当であるとしている。


提供元:産報出版株式会社

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