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溶接接合業界ニュース

量研、配管内部をレーザ溶接 プラント補修に適用も

量子科学技術研究開発機構(平野俊夫理事長)の研究グループは、狭く外部からの作業が難しい環境下でも配管を溶接することができる技術を開発した。レーザ溶接技術を応用したもので、溶接したい配管のつなぎ目部分などを事前に計測し、レーザ光の照射位置を高精度に狙うことで、わずか1?の隙間や軸がズレた配管同士の溶接を可能にする。プラント機器などにおける配管の設置や補修は溶接の代表的な適用先だが、狭隘ヵ所に何本も配管を設置するなど、適正な溶接姿勢が確保できないようなことも少なくない。今年3月に完成した核融合実験装置「JT―60SA」の配管補修技術として適用が見込まれるほか、各種プラント工事における補修溶接としての適用も期待される。
 同技術は、配管内に溶接ツールを挿入し、配管接続部を高出力レーザで溶接するもの。ツールの先端に金メッキした銅製ミラー(鏡)を設置し、レーザ光を反射させることでツール外周方向に照射、開先に沿ってミラーを動かしレーザ光を誘導することで溶接する仕組みだ。また、レーザ光の照射口から窒素ガスをミラーに吹き付けることでヒュームやスパッタの付着を防ぎ、ミラーの耐久性を確保する。条件にもよるが、おおよそ20回程度の溶接に耐えられるという。
 同研究グループは実証実験を重ねる中で、溶接前にツール内のカメラを用いて管内を撮影することで溶接箇所の開先の状態を詳細に計測すること、ツールを回転しながら上下位置を連動させて溶接する工法により、レーザ照射位置の誤差が0・1?以下という高精度に制御することなどを実現した。溶接後の検査においても、外観検査・浸透深傷検査・耐水圧検査・Heリーク検査・放射線透過検査などを実施し、溶接内部も含めて、不具合や欠陥がないであることを確認した。
 同技術は、日欧共同で茨城県那珂市に核融合実験装置「超電導トカマク型実験装置JT―60SA」の設置に併せて開発されたもの。同装置は直径約60?の配管に20気圧以上の水を循環させる。目的は装置内の機器を冷却するためで、定期的な配管の損耗箇所の交換が必要となり、特に配管のつなぎ目は強度が低下しやすいため注視される。しかし、外側から溶接するのが困難な場所につなぎ目があるケースも多いため、配管の内側から確実に溶接する技術が必要となった。
 今後は、今年3月に完成したばかりの超電導トカマク型実験装置「JT―60SA」の補修用技術などとして実用化を進めるとともに、同装置の真空容器内機器のロボットを用いることで遠隔作業技術としての確立も目指していく方針だ。


提供元:産報出版株式会社

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