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SMAプロジェクト・溶接技術開発でオールジャパン結集

 自動車車体の軽量化を主要テーマに、産官学が結集した10年に及ぶ国家プロジェクトが集大成を迎えた。新構造材料技術研究組合(ISMA、東京・千代田区、岸輝雄理事長)は、プロジェクトのテーマごとに開発した素材や溶接・接合技術を用いたマルチマテリアル構造の模擬車体をこのほど公開した。 今年3月でプロジェクトは終了となり、今後は開発した技術を基盤技術として、マルチマテリアル車体の実用化に向けて国内製造業の競争力向上につなげることが重要となる。
 事業は経済産業省の未来開拓研究プロジェクトの一つであり新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「革新的新構造材料等研究開発」として開始したプロジェクト。
実施団体として2013年にISMAが設立。これまでプロジェクトに参画した企業や大学、研究機関は約130に及ぶ。国内の主要自動車メーカーや大学、鉄鋼、アルミ、樹脂メーカーなどが組合員として加入し、再委託機関等を含めてオールジャパンの組織体制で進められた。
 自動車を中心に航空機や高速鉄道車両といった「輸送機器の抜本的な軽量化」に向け、鋼材やアルミニウム、チタン、マグネシウムといった金属材料から炭素繊維樹脂、CFRPなどの材料開発、そして溶接・接合技術の開発を同時に進めたことが大きな特徴となった。
■模擬車体を初披露
 模擬車体は、ドアパネルや各ピラー、フロントフードなどで構成。プロジェクトで開発した新材料と接合技術を実用化に結びつけるための性能検証を図ることを目的に制作した。
 マツダが中心となり制作したマルチマテリアルドアパネルは、ハイテンをはじめとした鋼板とアルミ、マグネシウム、CFRPを主に使用し、アルミとCFRPの重ね接合部に合計15点の摩擦攪拌点接合を適用した。
 「重量の構成比は鋼板とアルミ、CFRPの比率が1対6対3」(ISMA)。多軸ロボット式の摩擦攪拌点接合装置を使い、接着剤を介した継手でも接合特性が確保できている。
 また、JFEスチールが中心となったセンターピラーは1・5ギガパスカル級冷延鋼板と590メガパスカル級亜鉛めっき鋼板を両面FSWで接合した。
 10年の間にカーボンニュートラルに向けた大きな流れが加速し、世界的なEV化の流れが急激に加速した。平田好則プロジェクトマネージャー(大阪大学)は「国内を代表する多くの企業や大学、研究機関が参画し、今回模擬車体という形で成果をだすことができた」と会場で語った。
 またISMAの千葉晃司プロジェクトマネージャーは「車体それぞれの部分に最適な材料や接合法は何かということを総合的に判断し開発を進めてきた」と述べた。
「実用化の要件となる成形性や接合、塗装防錆、衝突等の性能検証を実施し、実用化ポテンシャルが高い結果が得られた」(ISMA)としている。
 今年度でプロジェクトは終了となる。今年3月に最終成果報告会を都内で開催するとともに、今後は各研究機関や大学に拠点を設置し、研究開発を継続する。また産業技術総合研究所に全拠点の総合窓口を設置する方針。


提供元:産報出版株式会社

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