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溶接接合業界ニュース

特定技能外国人材制度改正・製造業溶接区分は機械金属加工に統合

 政府はこのほど、特定技能外国人材制度(特定技能)を改正。溶接など旧19業務区分を「機械金属加工」、「電気電子機器組立て」、「金属表面処理」の3区分に統合。合わせて素形材、産業機械、電気電子情報関連製造業分野(製造業)の受入人数を3万1450人から4万9750人へと大幅に引き上げた。従来、同制度の有資格者は、業務区分に対応する業務にしか携わることができないが、今回の統合により有資格者は、関係するより広い範囲の業務に携わることができる。なお、溶接は機械金属加工に統合された。同制度に基づく技能評価試験への適用は来年を予定。
 特定技能は、それまで就労ビザではできなかった業務を可能にするものとして2019年にスタートした制度。製造業や造船・舶用工業など認められた12分野の業種に携わる企業を対象とし、溶接など対象となる業務区分の業務に限り、外国人の雇用が認められた。ただし、業務に就く外国人は、19業務区分における試験または外国人技能実習制度(技能実習)にの修了が必要となる。
 今回の業務区分統合は、従来の19業務区分では外国人材の業務範囲が限定的であり、製造現場で増加傾向にある多能工化などのニーズに合わないため、現場の実態に沿った制度となるように、技能の関連性と業務の連続性を考慮して行ったもの。
 3区分のうち溶接が含まれるのは「機械金属加工」で、素形材製造や機械製造に必要な材料、工場内の安全性に関する基本的な知識・経験などに基づく、加工技能および安全衛生などの関係性が認められる15業務区分が統合された。同15業務区分は、溶接、鋳造、鉄工、塗装、ダイカスト、機械加工、電機機器組立て、金属プレス加工、仕上げ、機械検査、工場板金、プラスチック成形、機械保全、鍛造、工業包装。
 これら15業務区分が統合されたことで、例えば、制度上溶接しか従事することができなかった溶接で特定技能の資格を持つ外国人溶接士が、溶接の前後工程で必要になる工場板金や機械加工、仕上げなどの業務にも携わることができるようになる。
 一方、受入人数の拡大である。
 約2年に渡って続いているコロナ禍の中、外国人の出入国が難しくなり、この対応策の一つとして技能実習から特定技能に移行することで日本での滞在期間を延長する動きが加速した。このため技能実習生の人数は横ばい・減少傾向を示すにある中で、特定技能有資格者数は増加。昨年6月時点の2万9144人から今年6月の8万7472人へと約3倍の大きく伸びている。
 特に、溶接業務区分が含まれる産業機械製造業など受入見込み数(上限人数)を上回る分野がでてきたことから制度における上限人数の見直しを実施(総数は34万5150人で変更なし)。溶接関係では製造業は増加したが、造船・舶用は1万3000人から1万1000人へと減少した。
 なお、今年6月時点での特定技能溶接業務区分の有資格者数は、5795(製造業3507人、造船・舶用2288人)で、昨年の2023人(製造業1373人、造船・舶用650人)と比較して3倍近い大幅な伸びをみせている。
 


提供元:産報出版株式会社

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