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溶接接合業界ニュース

ダイヘン、レーザ技術で様々な異種材料の接合を実現

 2030年のCO2削減目標に向けて、自動車へのアルミや樹脂の適用が加速することが見込まれる。これらの材料は鉄との溶接が困難で課題となるなか、ダイヘンはレーザを活用した接合技術を開発し、課題解決への貢献を目指す。同社は現在「亜鉛めっき鋼板+アルミ合金」「樹脂+金属」の、大きく2種類の異材接合技術を提案している。
 亜鉛めっき鋼板とアルミ合金の接合技術は、アーク溶接とレーザ溶接のメリットを組み合わせたハイブリッド接合システムを使用する。レーザは、ビーム形状を変化させて入熱量を最適化できる「ビームモード制御」を搭載。加えて、アーク溶接には「シンクロフィード」を採用した。シンクロフィードは、電流波形とワイヤ送給を高速で同期制御することで、極低スパッタ溶接を実現する技術。これらを組み合わせることで精密な入熱制御が可能となり、融点や熱伝導率が異なる材料同士の接合を実現した。
 亜鉛めっき鋼板はGI材とGA材、アルミ合金は5000系と6000系に対応する。GA材はアルミと溶接すると、溶接強度に悪影響となる金属間化合物(IMC)がGI材よりも生じやすいため、パルスレーザを用いることでIMCを抑制している。
 継手は、重ねすみ肉のほか、このほど新たにT字すみ肉やフレア継手に対応し、適用可能な製品が広がった。
 樹脂と金属の接合技術は、レーザと大気圧プラズマ、加圧ローラを組み合わせたもの。はじめに、レーザで金属の表面に微細な溝をつくる。次に、表面加工した金属と樹脂を大気圧プラズマ処理で表面処理し、接合面の清浄性と濡れ性を確保する。この後、樹脂と金属を重ねあわせて金属側からレーザを照射し、金属が溶融しない程度の熱を与えつつ、レーザ照射部の前後をローラによって加圧することで、アンカー効果による高強度な接合を実現する。現在開発中で、今年度中の製品化を目指す。
 


提供元:産報出版株式会社

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