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溶接接合業界ニュース

宝飾業界の今、YAGレーザ適応範囲拡大

 昨今のジュエリートレンドはスタイリッシュANDセンシティブ。理由は、素材となる地金の価格が高騰を続けているからだ。そのため、指輪などのジュエリーはできるだけ細く、スタイリッシュなデザインのものでなければ一般顧客には手が出せないほど価格が高騰してしまう。この変化は、「小型レーザ溶接機で指輪を接合する」といった工程で使われる溶接機市場にも変化をもたらしている。本記事ではジュエリー業界におけるレーザと溶接に触れる。
 ジュエリーの業界では、製品のデザイン性が重要な要素となる。そのため多品種少量生産が求められるほか、金、銀、プラチナなど高価な金属を使うため、失敗が許されず、高品質加工が求められることが特徴だ。
 一方で、ジュエリーメーカーの話によると、ECサイトなどの進化によって個人のジュエリーアーティストなどが増加しており、宝飾用のレーザ加工機、アーク溶接機、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)装置など、個人向けの小型加工機のニーズが高まってきている。昨今は細くスタイリッシュなデザインのものが増加しているため、特にYAGレーザ溶接機のシェアが広がっている。
 アーク溶接では低い熱量への対応が難しいことと、ファイバーレーザ溶接では出力を上げるのが困難なことを理由に、ジュエリー業界において活躍する場面が多いのはYAGレーザ溶接とされている。また、細いアクセサリーが増加傾向にあるため、精密な加工への要求は高まりをみせており、その意味でもYAGレーザ溶接機のシェアは年々拡張している。
 宝飾用YAGレーザ溶接機は欧州が中心の産業だ。日本メーカーは既に撤退しているため、国内で出回っているものは、輸入販商社を介したドイツ製とイタリア製が多い。最も信頼度が高いのは歴史あるドイツ製になるが、イタリア製なども変わらないパフォーマンスを出せる装置は増加している。
 また、ジュエリーの業界におけるレーザ溶接装置は、宅配で製品がやりとりできるサイズのものが好まれる。個人作家が多いため、品を送って修理を待つことができると、買い手もメーカーも負担が少ないからだ。価格適正化により100万円を切る値段で購入できる製品が増加している。
 溶接する素材は、金・プラチナなどとなり、熱影響を受けやすい素材のため、溶接における難易度が高い。また、高額な部材のため失敗が許されない。求められるのは、あてるべき場所に照射できるレーザ精度と、適正熱量を与えることだ。金やプラチナの適正熱量は25?50ジュール、比較的大きな鉄加工ジュエリーの適正熱量は60-150ジュールで、アクセサリーは25?150ジュールの熱量があれば大部分(銀、モネル、チタニウム、金、銀、銅、ステンレスなど)が溶接可能となる。
 宝飾業界はアーティストの意匠性や製品の希少性が重要視されるため、手作業による職人の世界というイメージが強い。しかし、アーティストが扱う道具が進歩すれば、その分、表現の幅も広がるため、技術的進歩も作品の制作に大きく貢献する。小型レーザ加工機や溶接機は今後も、その技術的進歩とともに宝飾業界に着実に普及していくだろう。


提供元:産報出版株式会社

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