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溶接接合業界ニュース

タンクの溶接自動化を検討、ISTのロケット「ZERO」

 ロケット製造のインターステラテクノロジズ(IST、北海道・大樹町)が2023年度中の打ち上げをめざして超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の製造を進めている。このうち、溶接で作る推進剤タンクは昨年5月に試作品が完成し、現在は実機搭載タンクの接合工程を検討している段階だ。試作タンクは全て人の手によるティグ溶接だったが、実機搭載分は一部を自動溶接する工法を検討している。打ち上げ予定時期をにらみながら、遅くとも秋頃までにタンクの工法を確立させる予定だ。
 試作した燃料推進剤タンクは直径1・7メートル・高さ85センチのアルミ製で、上下の鏡板と3つに分かれた胴部分の計5部材を溶接して製造した。試作タンクの材質はアルミ「A5083」を使い、ポジショナを使いながら最大8ミリ程度の溶接を全てティグ溶接で完成させた。
 試作で得た知見を活かし、現在は実機搭載タンクの工程を検討している。アルミはより強度の高い「A2219」を使用する予定で、現在のところ、工程の一部でターニングロールとマニピュレータを使った全周自動溶接やFSW(摩擦攪拌接合)、EBW(電子ビーム溶接)の利用などが候補にあがっている。今後、難易度と溶接品質、費用などを総合判断し、夏から秋にかけて決める予定だ。
 ISTの溶接士・前田祐義さんは「今年の夏から秋頃にかけて、どんな方法で作るのかを決める。間に合えば、一部の溶接を自動化したい」と話す。なお、ZEROのエンジンは室蘭工業大学や荏原製作所などと共同研究・開発中で、燃料はメタンを主成分としたLNGと液化酸素を使うことが決まっている。
 ISTは05年創設の「なつのロケット団」が起源の民間企業で、19年5月に観測ロケット「MOMO」が民間企業単独として初めて宇宙空間に到達、21年7月に2機連続での宇宙到達に成功している。「圧倒的低価格で、便利なロケット」を作ることを目標に掲げ、市場で調達できる量産部品を社内加工することで開発費を抑えることを重要課題にあげている。本社工場のある大樹町には同社専用のロケット射場があるほか、東京支社と福島支社、室蘭工業大学内に室蘭技術研究所がある。


提供元:産報出版株式会社

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