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溶接接合業界ニュース

焦点=鉄工所の福利厚生

 福利厚生とは企業が従業員に提供する「給料以外の報酬・サービス」の総称だ。給料などの事務的な手続きと違い、企業カラーが出しやすいため、ユニークな福利厚生は対外的に自社の魅力をPRするツールにもなる。それは鉄骨ファブリケーターにとっても例外ではないようで、ユニークな福利厚生を設定している企業もある。
 本社を東京・杉並区、工場を神奈川県相模原市に構え、鉄骨を使った耐震改修工事を得意としているMグレードの鉄骨ファブリケーターである池田鉄工(池田和隆社長)。同社は6?40?の厚板鋼板の炭酸ガスアーク半自動溶接を武器に50年にわたり順調に売上を伸ばし続けてきた。
 そんな同社は地域貢献を目的にサッカーJ2リーグで活躍するチーム「SC相模原」のスポンサーの1社となった。そのため同社ではSC相模原の試合の観戦チケットを入手することが可能だ。コロナ禍でサッカーの試合観戦が無観客化してしまう以前は、同社には「地元サッカーチームの試合を観戦することができる」という福利厚生があった。
 池田社長は「SC相模原は昨年末にJ3からJ2に昇格した。そのため社内でも注目している従業員が増え、試合結果や試合内容を楽しみにしているスタッフを目にすることが増えた。早く試合観戦ができる日常を取り戻したい」と話す。
 続いて、官や電力会社の水力発電用の巻上機・除塵機・水圧鉄管や制御システム、大型ビルの制振装置など大型構造物の溶接を得意とする長野県駒ヶ根市のヤマウラ(山浦正貴社長)でもユニークな福利厚生を設定している。
 同社の新入社員の多くは学校を卒業したばかりのため、新入社員の家族に会社見学会を開催している。この取り組みは新入社員がどの都道府県出身であっても行っており、「まずは家族を安心させたい」という願いが込められている。同社には不動産事業部門もあるため、リゾート施設への優待や、同社で家を建てる場合の一部支給、モチベーションの指標として従業員の持株を許容している。
 特に力を入れているのは、家に現場の汚れを持ちこまない配慮としての洗濯サービスで、同社では工場内にシャワー室も増設した。また、飲食物ではカレー・麺類が100円、定食が150円と格安で食べることができる社員食堂や、ジュースが10円で購入できる自動販売機なども従業員からの評判が良いという。
 最後に、山梨県中央市にあるHグレードの鉄骨ファブリケーターである山梨県鉄(伊藤香織社長)の福利厚生だ。最上位であるSグレードがない山梨県では、Hグレードが実質的に最も業務領域が広い鉄骨ファブリケーターとなる。同社にはJIS有資格者が23人、AW検定の保有者が7人在籍いており、溶接士の技術力が要となる特殊鉄骨の溶接に定評がある。
 同社では「健康第一」を謳っており、昼休みには伊藤社長が自らが栄養のバランスを考えた、みそ汁やシチューを従業員にふるまっている。また、健康を考慮した10種類以上のおかずを一つ100円で、誰でも購入することができるようにしている。
 始まりは、伊藤社長が、従業員の多くがカップラーメンやコンビニの弁当を食べているのを見て「手作りのランチを食べて欲しい」と思ったことだが、今では社長のみそ汁は名物となった。日々伊藤社長がSNSに投稿いている「今日のみそ汁」の画像には「美味しそう」「こんな会社で働きたい」「思いやりを感じる」など多くの賞賛のコメントが寄せられている。
 3社ともに共通しているのは社員のモチベーションも、事業継続に必要な要素として捉えていることだ。スポーツジムの併設、地元農家の野菜を安価に購入できる、休日は自由に会社の設備を使って自分のものづくりを楽しめるなど、多くの福利厚生があるため、不足が嘆かれる溶接技能者の獲得のために、ユニークな福利厚生を考えるのも一案だ。


提供元:産報出版株式会社

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