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溶接接合業界ニュース

日溶協、定時総会開く、溶接人口の拡大へ新4ヵ年計画策定

 日本溶接協会(粟飯原周二会長)は6月9日、東京・千代田区の溶接会館で2021年度定時総会を開催した。新4ヵ年計画を示し、認証制度のシステム高度化、溶接教育事業の拡大、国際溶接学会(IIW)年次大会と国際ウエルディングショーの共催などを重点活動項目に掲げた。粟飯原会長はコロナ禍の影響が大きかった20年度事業を振り返り「全国の会員企業や指定機関、検定委員会の協力により乗り切ることができた。溶接人口の拡大や溶接界の発展に向け活動を強化する」と方針を示した。
 粟飯原会長は総会と会見で「受験申込のWeb申請を中心としたシステム高度化(e?Weld)や、溶接士不足を解決する底辺の拡大に向けた活動を強化する」と21年度の活動方針を述べた。
 日溶協は21年度事業計画と合わせて、24年度までの第2期4ヵ年計画を示した。?認証事業のサービス・品質向上と効率化による資格普及?広報活動の拡大と溶接のイメージアップ?溶接士不足への対応?溶接教育事業の拡大?部会・研究委員会の強化?学協会共同事業による活動の拡大――を骨子とする。
 今年度は技能者試験申込のWeb申請を11月に北陸地区から部分的に開始し、来年4月からの全国展開を目指す。溶接管理技術者資格も同様に23年度からのシステム立ち上げを計画する。
 産業界の溶接士不足は「若年者の取り込み」「溶接女子の拡大」「外国人の受け入れ支援」を中心に取り組む。女性進出を支援するWebサイト「溶接女子会」などを通じ情報発信を行う。
 教育事業は溶接技能者学科試験免除を含む学科講習会や、厚生労働省受託の就職氷河期世代を対象とした短期資格習得事業を全国に広げる。
 厚生労働省の溶接ヒューム濃度を規制する特定化学物質障害予防規則の改正について、ヒューム濃度の測定やフィットテスト、特定化学物質作業主任者の選定など溶接事業所が行うべき対策の周知と啓蒙を行う。第9次粉じん障害防止総合対策を推進し、電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)の普及活動など溶接士の安全衛生の確保を図る。
 2022年7月に東京で開催のIIW年次大会と国際ウエルディングショー(主催=日本溶接協会、産報出版)で、カーボンニュートラルなど共通テーマを軸とした連携企画を推進する。
 昨年延期となった全国溶接技術競技会中部地区三重大会を11月にポリテクセンター三重を競技会場として開催する。11月に行われる高校生ものづくりコンテスト全国大会(主催=全国工業高等学校長協会)に溶接種目がエキシビション種目として初採用されることを受け、各都道府県・地区大会への費用助成を指定機関に行う。
 調査研究事業は、昨年度に特別委員会として発足した3D積層造形技術委員会で溶接学会と連携した活動などを展開する。
 20年度の認証事業は、溶接技能者試験を4月中旬から5月末の緊急事態宣言時に中止した。感染防止ガイドラインを策定後、試験を再開し試験回数を増やすなどの対応を図り、受験者数は10万466人(前年度比10・2%減)と10万人台を維持。「国内の溶接水準を確保するためには、今後も現在の11万人前後を維持することが必要」(水沼渉日溶協専務理事)と少子高齢化の中での人材確保が重要となるとした。
 溶接管理技術者の新規受験者数は、前年度比43・3%減の2675人、再認証は在宅審査を採用し5287人と計画を上回った。外国人在留資格特定技能で、製造分野特定1号評価試験(溶接)を国内4ヵ所で行った。
 総会はリモート会議システムを併用し、会場人数を制限して行った。総会後の理事会で副会長に伊藤栄作氏(三菱重工業)が新たに就任した。名山理介・前副部会長(三菱重工業)の人事異動による交代申し出によるもの。


提供元:産報出版株式会社

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