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溶接接合業界ニュース

17都道府県で溶接競技会、全国競技会に向けて動きだす

 全国溶接技術競技会(全国競技会)が動き出した。昨年はコロナ禍の中で全国競技会は中止となったが、青森、岩手、山形、福島、東京、千葉、神奈川、長野、新潟、愛知、岐阜、福井、滋賀、奈良、大阪、兵庫、福岡の1都1府15県では、万全の感染症対策を敷いた上で全国競技会の代表選手を決める都道府県単位の競技会を開催、もしくは予定している。
 今年の全国競技会は11月13-14日、ポリテクセンター三重(三重県四日市市)での開催を予定している。全国競技会は日本溶接協会と中部地区溶接協会連絡会、三重県溶接協会の共催。
競技のみどころは、コロナ禍のため中止となった昨年の大会から採用されるはずだった新課題の攻略。前課題との主な変更点は、中厚板(板厚9ミリ)の溶接姿勢が立向から横向きとなり、邪魔板(スカラップ)の位置が中央から40ミリの位置に移動し、初層の指定範囲でアークの中断を求められること。薄板(同4・5ミリ)は溶接姿勢が横向きから立向に変更になったほか、新たに邪魔板が追加されたこと。さらに、競技時間がこれまでの55分から10分短縮され45分となった。
 昨年、全国競技会は中止となったが、新課題で競技を実施した岩手県溶接技術競技会で審査委員長を務めた桑嶋孝幸氏は「昨年の競技会による新課題の影響をみると、溶接姿勢や邪魔板に関する変更よりも競技時間が10分短縮されたことの方が影響が大きかったようだ。仕上げまで手の回らない作品が何件かみられた」とする。
 ただ、今年の同県の競技会をみると、各選手とも手慣れた機敏な動作で競技に臨んでおり、中には競技終了数分前に作品を提示する選手の姿もみられた。
 また、競技に参加したある選手は「仕事で使うことのない薄板の課題が苦手。練習では新課題の攻略よりも薄板の課題攻略の方に時間がかかった」とする。
 また昨年競技会が中止になったため、今回、初めて新課題による競技に臨んだ千葉県溶接技術競技会に出場した選手は「邪魔板の位置変更や追加については気にならなかった。ただ競技時間の短縮については、スピードを意識しながらも欠陥のない作品にするための練習をした」と語る。
 昨年競技会を実施したところの中には、今年も競技会を開催して新たな代表選手を選ぶところと、今年は競技会を実施せず、昨年の代表選手をそのまま今年の代表選手にスライドするところに分かれる。このため新たに代表選手を決めるところでは、昨年の優勝選手が全国競技会競技会に出場しようと決死の覚悟で練習に励んでいるという話も聞く。
 首都圏以外の緊急事態宣言が解除され、ワクチンの接種がはじまるなど、コロナ禍が収束に向かう中、全国競技会を目指す選手や関係者の熱い戦いの幕が上がった。


提供元:産報出版株式会社

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