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溶接接合業界ニュース

田島製作所、巣ごもり需要で売上2倍に

 コロナ化の中、前年対比で200%を超える好調な売上を得ている企業がある。埼玉県草加市で食品業界の工場部品を溶接加工している田島製作所である。同社の田島一社長は「『巣ごもり需要』によって新しい需要が生まれた」とその理由を話す。
 同社が得意としているは、食品包装機器部品や、食品調味料を調合するために出口を狭め調整するホッパー(食品素材の投入口などに使うロート状の部品)の製造など。コロナ禍で外出を控える人が増え、巣ごもり需要に対して生産力能力を強化する工場が増えた。このため同社は食品業界の工場で必要となるステンレス部品の溶接・板金に特化しているため、家庭用食品需要の増加がそのまま受注に繋がったとする。
 同社で溶接加工するステンレスの板厚は0・6?3ミリで、ティグ溶接を主力として製造する。ただ、田島社長は「密封性と寸法精度が大切とされる製品であるため、両面溶接を適用するのが特徴」とし、両面溶接の適用を強調する。
 田島社長によると、一般的な溶接は片側だけを溶接して、裏側は「裏波」が出ていることが良しとされる。しかし、裏波を削り取ることや金属が溶融しすぎることは、微細なひずみを生むため、溶融を最低限に抑えたい。そこで表面と裏面の両側を溶接する両面溶接を適用するようになった。
 表面・裏面ともに最低限の溶融量に抑えることで、「強く研磨する必要がない」「極端にひずみが出ることがない」「他部品との誤差なく組み立てられる」「密封性が保たれる」という状態を作ることができるという。田島社長の日頃の経験や研究によって同溶接方法を適用するようになった。
 溶接の現場に立つ田島社長は「金属をしっかりと溶かすのが溶接士の仕事であるため、最低限しか溶かさないのは、思いのほか難しい。案件の都度、テストピースを数十から数百個試してから本番にあたるが、積み上げてきたテストピースと溶接条件が当社の宝物だ。リーマンショックで売上が激減した時に、不景気でも需要が一定している業界として食品業界を選び、ステンレスの溶接加工のみに絞ったことが間違ではなかった」とする。
 現在も同社の顧客である製粉・菓子・ハム・蜂蜜などの工場はステンレスのホッパーを増産する流れにある。工場ごとにサイズが異なるためにほとんどが1点物となる。さらに、「食品に直接触れる部品であるため、味がうつらないように調味料・食材ごとに数多くのホッパーが必要になる。巣ごもり需要に合わせて期間限定品を開発した企業もみられた」(田島社長)ことから受注量が増加し、売上も2倍に膨らんだそうだ。


提供元:産報出版株式会社

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